「(彼女/彼氏)いない歴=年齢」の人間が見落としている第一歩

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 生まれてこの方、恋人がいたことがない人のことを「(彼女/彼氏)いない歴=年齢」と呼ぶらしい。そういう「いない歴=年齢」の人たちの悲痛な叫びは、インターネットでいくらでも目にすることができる。

 僕自身、割と最近まで「いない歴=年齢」だった。別段そのことを苦痛としていたわけではなかったけれども、やはり「この歳で彼女ができたことがないと、ひょっとすると一生女性とは無縁かもな」くらいには思っていた。何が原因なんだろうかと漠然と考えてみたりもした。

 私見としては、恋愛はしてもしなくても良いものだと思っている。結婚も同様である。いっぽうで、いわゆる「恋愛弱者」とされている人たちのなかには、それが悩みとなって苦しんでいる人が多いのも事実である。

 そういう人たちに、「恋愛なんてしなくてもいいよ! 趣味に生きる人生もあるよ!」などと言うのは冷酷だと思う。ましてや、恋人がいる、あるいはいたことがある人がこれを言うのは無神経すぎるだろう。お金持ちが貧乏人に「人生はお金じゃないよ!」と言い放つのと同じである。「だったらお前の金(恋人)くれよ!」と返したくなるのも当然である。

 だが現実として、20歳を超えて「いない歴=年齢」の人には、やはり何かしらの原因を抱えていることのほうが多い。もちろんそれはその人の非であるとは限らないのだが、他方でそれを改善できるのはその人だけなのである。そして、自己の至らない点を改善するというのは非常に骨が折れる。

 加えて、異性(同性でも)との交際には手間も暇もお金もかかる。だからこそ、必ずしも恋愛をするべきとは言えないと僕は考えるのだが、それでも一度くらいは経験してみたいという人のために、僕の経験を少し語ってみたいと思う。

 こういった記事でよく語られるのは、身だしなみをよくしようとか、異性と出会える環境に属しようとか、異性の心理を学ぼうとか、なんやかんやとハウツーが列挙されるものである。そして、いままでそういったことをしてこなかった人たちは、そのあまりの地道さに辟易して、やっぱり自分には無理だと諦めてしまうのである。

 だが僕は、そうしたハウツーの前に、第一歩として見落とされている、しかしながら最も重要なプロセスがあると考えている。

 それは、「誰か好きになる」ということだ。

 何を当たり前のことを、と思われるかもしれないが、そもそも、誰かを好きにならないことには、恋愛をすることもできないのである。もちろん、世の中には、とりあえず交際をはじめてからだんだん相手を好きになっていくというパターンもあることは知っている。とはいえ、それはあるていど(お互いが)恋愛経験を積んでいなければ難しいのではないかと思う。はじめての恋愛は、好きになった人にアプローチをして告白をしてめでたく交際という一般的な道筋をたどるのが結局のところ成功しやすいと思う。

 さて、「誰かを好きになる」ことがまず第一歩として欠かせないと書いたが、もう少し正確に言えば、「誰かを強烈に好きになる」のが理想だと言える。

 なぜ、誰かを「強烈に」好きにならなければいけないのか。それは、「いない歴=年齢」の人間が異性との交際にまでこぎつけるためには、基本的には、それなりの労は厭わずに努力する必要があるからだ。ただ単に「世間体のために」「寂しいから」「セックスがしたいから」というだけの動機では、その努力を乗り越えることは難しい(いや、最後のに関しては実はもっとも強固な原動力になるかもしれない)。

 しかし、「どうしてもこの人と仲良くなりたい! この人のことをもっとよく知りたい! この人とお付き合いしたい!」という熱烈な思いがあれば、身だしなみに気を配ったり、デートスポットの情報収集をしたり、デートに時間やお金を使ったり、話に困らないように話題をストックしておいたり、本やなんかで異性の心理を学んだりするなどという苦労は、まったく大したことではなくなるものだ。

 無論、いくら努力を積み重ねたところで手が届かない場合もある。だが、仮に意中の異性に振られてしまったとしても、それまでの努力が水泡に帰すわけではない。そうやって身につけた魅力を武器にして、また次、誰かを好きになったときに、果敢にアタックすれば良いだけのことである。あるいは、何度だって同じ人にリベンジすることも可能だ。

 そういうわけで、「(彼女/彼氏)いない歴=年齢」の人は、まず第一に「誰かを強烈に好きになる」という段階を踏まなければ、なかなか「いない歴=年齢」を脱することは難しいだろうと考えている。こう書くと、だったらどうすれば誰かを強烈に好きになれるのか、という疑問が飛んできそうだが、これについていま確実に言えることはそんなに多くない。ひとつだけ言えるとすれば、「他者に対する積極的な関心をもって、よく観察し、よく話を聞こう」ということだ。そうすれば、必ず一人くらいは強い好意を抱く人が現れるはずである。最初は、興味本位でも構わないから。